肥満論
written byとぴあ

肥満の原因は約7割が生来の遺伝であるのが定説!ところがその肥満者を自己管理のできない怠け者だ云々と馬鹿にするのは、黒人を肌が黒いと蔑視するのと同様に社会的差別!確かに不健康な肥満は改善しなければならないけれど、それ以外で肥満者が不利益を蒙るのは概して社会的差別が存在するから!つまり太っていること自体が悪いのではなく、太っていることを醜いと感じ蔑視する社会的価値観こそが問題なのです!この社会的偏見があるから逆に健康を害してまでも痩せることに血眼になる愚かな女性が増加し、まんまとエステを太らせている!
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デブ総決起集会!?

「でぶ」という言葉は『広辞苑』によると単に「肥えていること、またその人」と定義されていますが、この言葉は明らかに差別語であり、否定的評価がなされる時に使用されるのが通例だと思います。

その意味で昨日放送された「夏のデブ総決起集会!!」と題して「デブ」についての賛否を問い徹底討論するというテレビ朝日『ビートたけしのTVタックル』はそもそも初めから矛盾した問題設定をしていたと思いました。

しかし実際に見てみると、あくまでもバラエティー番組なので取り上げられる話題も興味本位なものが多く散漫な内容ではありましたが、「肥満」ということに対して最初から否定してかかるのではなく、それなりに客観性が保たれている番組だったと思いました。

その番組中で‘肥満警官’を減少させることで検挙率が上がったという統計の紹介がありました。確かにその方針を打ち出した北海道警や福岡県警の場合は検挙率が上がっていたものの、画面に表示された他の警察の数値をよく見てみると、その方針を立てているにもかかわらず逆に埼玉県警などは下がっているとう事実もあり、‘肥満警官’の減少が即検挙率を上げるというのは短絡的な見解だということはすぐに判ります。第一、犯人の検挙は単に体力まかせで追いかけるような行為ばかりではないことを考えれば、これはあくまでも‘バラエティーネタ’だということが判るでしょう。

しかし番組で紹介されていたように、「生活習慣病の高血圧・高脂血症・糖尿病などの3〜6割が『肥満』が起因で、これを予防すると国民医療費の2兆円が節約できる」という「日本肥満学会」の発表は傾聴に値すると思います。

その学会の役員で、番組でも発言していた大野誠氏は、以前から‘間違ったダイエット’に警鐘を鳴らし、過食も駄目だけれど拒食もいけないと警告して、カロリー値と栄養に気を付けた適度の食事と運動で健康な体を育むことが大事であることを提唱されておられます。番組中で述べていた限りのことですが、彼の言葉を念のために正確に引用しておきましょう。「死亡率を決めているのは体重ではなく、身体活動能力であるということが判った。」

この意味で、番組中で紹介されていたような、肉食を中心とした高カロリーの食事を不規則に与え運動もさせずに子供を‘肥満児’にしている母親は非常に罪深いと感じました。 親の生活習慣が子供に影響するのは確かな事実です。

そして、往々にして、このように過食や運動不足といった後天的要因だけを見て、そこで‘肥満’は自己コントロールのできない人間の表われであるとして、差別の対象になり‘デブ’と蔑称されることになるわけです。

しかしこの番組では、よく‘ダイエット本’に書かれているような、肥満の原因が‘環境7割、遺伝3割’という定説を覆えして、むしろ「環境3割、遺伝7割」であるとする蒲原聖可氏の学術的研究
(注1)を紹介している点で陳腐な通常の番組になることから免れていたと思います。まさにこの蒲原氏の研究の紹介がこの番組では第2番目?に興味深かったことでした。

因みに発言内容や事実関係から判断すると、ゲストで出演していたウガンダ・トラさんの場合は‘環境7割、遺伝3割’で、渡部絵美さんの場合は‘環境2割、遺伝8割’のような割合に感じました。

渡部さんはフィリピーナを母親に持つ方ですよね。そしてフィリッピンの女性って概ねあんな感じの豊満な体型の持ち主が多いですよね。先天的な要因が大きいのに、大竹まことさんにあれだけボロクソに言われる筋合いはないんじゃないの!?と感じた次第です。渡部さんは常にニコニコしていましたが、「悔しくて‘ダイエット’した」という発言からも腹の中では怒りで煮えくり返っていたのではないでしょうか?!
(注2)

ところでこの番組中で第1番目に興味深かったことって何かって?それは‘ダイエット’で痩せたという女性
(注3)との討論で「デブは男の人とHしても色々な体位、できなさそうじゃん」とツッコまれたのに対して、「男をイかせる所はアソコだけじゃないんだよ。ココとかココとかココとか」と発言したカワイ麻弓さん(注4)のジャスチャー付きの反論でした。(^^;)

ところで討論に出席した豊満女性たちは概ね臆することなく、己れの豊満な体型に自信を持っており、堂々とした態度で‘肥満’していることにコンプレックスを抱いていないように感じました。

「埋もれたいメンズがいるからイイんだよ」と言っていましたが、多分彼女たちには彼女たちを心から慕ってくれる恋人の存在があるからではないかとその理由を推測しています。往々にして、太っていると三枚目を演じてしまいがちですが、無理に‘お道化’をするでもなく、好感が持てたのもそういう事情があるからだと思いました。

(注1)
蒲原聖可『肥満とダイエットの遺伝学──遺伝子が決める食欲と体質』(朝日新書)
蒲原氏のその他の著作
『肥満遺伝子──肥満のナゾが解けた!』講談社ブルーバックス
『ヒトはなぜ肥満になるのか』岩波科学ライブラリー
『図解雑学 なぜ太るのかやせるのか』ナツメ社図解雑学シリーズ
(注2)
渡部絵美さんは後に、あの野村沙知代さんに「‘でぶ’で醜いわね」と誹謗中傷されたとワイドショーで暴露し、見返してやる意味で‘ダイエット’し、その経験を‘ダイエット本’として出版した経緯がありました。(加筆)
(注3)
「エルセーヌ」の広告で有名になった高山あゆみさんも出演していましたが、彼女の腕や足の異常な細さが映るたびに哀れでなりませんでした。
(注4)
以前にも紹介しましたが、彼女は現在、森公美子さんや斉藤こず恵さんと共に「ビックレディースクラブ」というコンサートを開始しています。


(初出2000.07.11に加筆)

そこヘン日本人論その1

TBSテレビ「2001年・ふくよかな人50人の主張」『ここがヘンだよ日本人スペシャル』
(注1)は、外国人に日本人を批判・非難させるという方法論によって、日本人同士のオブラートで包んだような遠慮がちな曖昧模糊とした議論ではなく、一般大衆の本音の意識が‘モロ出し’になるような議論を展開しているだけに、‘肥満者’に対する一般大衆のステレオタイプ(紋切り型)な先入観・偏見に基づく差別意識が充満する日本の社会の現状を顕著に示していたという意味で、また‘デブ’と蔑称されている被差別者としての‘肥満者’自身の意識・態度・生活様式がその差別-被差別の構造をますます固定化してしまっている現状を顕著に示していたという意味で、興味深い番組でした。(注2)

しかし差別する側にしても、差別されたとして抗議する側にしても、その意識の低さはいかんともしがたく、それ故に醜い怒鳴り合いに終始していただけに、見るに耐えない番組だったという感想を抱いたのも正直なところです。

さて「太っていることのメリットは何か」という、そのまんま東氏があの番組の中で投げかけた問いに対しては、この『肥満論』をちゃんと読んで頂いている読者なら即答できる筈なのですが、いかがでしょうか?

(注1)
2001.2/7(水)9:00pm〜10:54放送。数字は失念しましたが、かなりの高視聴率を上げました。
(注2)
わが『肥満論』では、‘ぽちゃ’=肥満のオブラート(あるいはカモフラージュ)、‘でぶ’=肥満のカリカチュア(戯画)と定義することにします。

(2001.2.11初出)
そこヘン日本人論その2

TBSテレビ「2001年・ふくよかな人50人の主張」『ここがヘンだよ日本人スペシャル』
(注1)で、そのまんま東氏が投げかけた「太っていることの長所・利点」は何かという問いに応じて、参加者の3人が答えていました。

まず一人は体重が121kgで、苗字が「伴」という男性。彼は、営業の仕事をしている際に巨人の星の「伴宙太」に体型が似ているために、すぐにお客さんに名前を覚えてもらえるという答えでした。

もう一人は最近時々テレビにも出るようになった漫才カップル・胡蝶蘭の‘ボケ’役で、自ら‘お笑い芸人’をやっていると言っていたあべこさん。
(注2)

因みに、彼女は、あの番組の収録時、体重を111kgと公表していました。
(注3)ところで別のテレビ番組(注4)では、彼女は‘ダイエット指輪’なる通販グッズの効果を試すための実験台になっていました。111kgから1ヵ月後の結果は、かえって117kgまで体重が増えてしまったとのこと。しかしその間にいつも通っている定食屋の店員の男性からプロポーズされたので、太ってかえって良かったと言っていました。

TBSのあの番組でも彼女の答えは、漫才でしゃべっていて噛んじゃった時に、「舌が太っているので」と弁解すれば、「みんなが結構笑ってくれる」
(注5)ので、太っていて良かったというものでした。

最後の一人は、バンドをやっているという120kgの男性。多分インディーズの世界では有名なメンバー全員が太っているバンドなのだと思いますが、彼日く「俺は太りたくて太っている。太っている奴がステージに上がれば、どのバンドよりも一番目立つ。なおかつかっこイイ。ここで俺は言いたい。デブはかっこいいんだよ!」(ここで‘ふくよかな人’たちは大拍手)

ここでいみじくも最後の男性が語ったように、「太っていることは目立つから良い」というのが3人全員に共通する見解だと思います。あべこさんのあの時の答えだけではそうとは言えないかも知れませんが、自らの身体的特徴によって‘笑い’を取る‘ボケ’役の漫才士ということで、彼女も同じ考えを持っていると言って良いでしょう。

そう言えばタレントの森公美子さんも、多分に‘笑い’と取るという意図からでしょうが、同様のことを語っていました。「待ち合わせしても、必ず相手方から見つけられるという利点がありますので、私は人を探さなくても平気です」と。
(注6)

さて確かに、営業マンにしろ漫才士にしろロックンローラーにしろタレントにしろ、職業柄、「目立てば勝ち」という観点からすれば、肥満していることはメリットなのかも知れません。しかしそのような見解を一般化してしまうなら、‘マイノリィティ(少数派)’として自らを規定してしまうことによって、容易に‘被差別者’の立場に陥ってしまい、社会に多くいる差別論者につけ込まれる危険性があるということも考えなければならないでしょう。

(注1)
2001.2.7放送。
(注2)
胡蝶蘭(エリ/あべこ) 体重差60kgのコンビ
(注3)
収録日2001.1.28。(ある参加者に確認)
(注4)
日本テレビ「とりあえずイイ感じ」2001.1.28放送。この番組が生放送であったかどうかは定かではありませんが、TBSの番組の収録日とこの番組の放送日が同じで、111kgと117kgという体重の違いを考えると、多分番組を面白くするために日テレの方に誤魔化しがあると推測できます。これがつまり「肥満のカリカチュア」ということです。
(注5)
つまり、「笑わせている」のではなく、「笑われている」ということですね。
(注6)
ビッグレディースクラブ」 モリクミさんの場合は、あの巧み話術で「笑われている」というより「笑わせている」ということができるでしょう。

(2001.2.20初出)


そこヘン日本人論その3

TBSテレビ「2001年・ふくよかな人50人の主張」『ここがヘンだよ日本人スペシャル』
(注1)の出場者中、最重量の女性は、‘180kg’だと云う胡月ももこさんでした。彼女は千葉の松戸を中心に営業しているSMあっぱく系デリヘリ風俗店(注2)に勤務している有名な女性で、店の宣伝も兼ねてビデオにも出演しています。(注3)

ところで胡月さんの体重‘180kg’は自己申告なのでしょうが、実際にはそれ程の体重はないはずです。以前の店の広告では、確か‘160kg’と謳っていましたが、これでも上乗せして大袈裟に宣伝していると推測していました。実際にあの番組に出席し彼女を見た、知り合いの複数の女性だけでなく、それ以外の人からも情報を得ていますが、‘160kg’と言っていた頃よりもむしろ痩せていたという印象も聞いています。

あの番組の放送後、すぐに当会のある女性会員から電話が入りした。彼女は体重100kgそこそこで、現在看護婦さんをしていますが、一時期、渋谷のそれ系の風俗店に勤めていたことがある方です。その人の話なのですが、世の中には面白い男性がいて、女相撲部屋対抗ではないですが、渋谷の店と松戸の店から各2名ずつ女性をホテルに呼び、ふんどしをつけさせて、相撲を取らせたのだそうです。渋谷の彼女が松戸のももこさんと対戦した際、ももこさんを軽々と持ち上げ簡単に負かしてしまったそうです。そういう事実からも番組で発表されているような体重は実際にはないと推定できます。

そもそも欲望には際限がなく肥大する傾向があります。いわゆる‘フェチ’系のお客さんの場合もその欲望に際限がなく、どんどん要求がきつくなり、彼らを魅きつけるために、おそらく彼女は意図的に大袈裟な体重の数値を申告したのではないでしょうか。

因みに‘巨乳好き’の人もそうですが、一般的に、そのような‘フェチ’系のマニアの人々は、実際に自分の目で見た外見よりむしろ数値を非常に気にする人が多いようです。メジャーや体重計をわざわざ持って来て、実際に会った時 に測定し、申告より「おっぱいが1cm、足りない」とか「体重が1kg足りない」とか大騒ぎし、お店にクレームをつけるのだそうです。

しかし、そのような行為は、自分自身の感性に自信が持てないからではないでしょうか?情報に躍らされてしまう傾向にあるのも、そのようなマニア系の人々に多く、嘆かわしい限りです。

ところで、この観点からすると不思議なことに、当日出席していた有名な札幌のスナック「ホールスタインJr」の女性たちの場合は、実際の体重よりも10kg程軽めに発表されていた、とある情報通から聞きました。人気No.1だという、まことさんが130kgだと云うのはいいとしても、ママのえりかさんが98kgと云うのは実際とは違うはずです。この店は約10年前から有名で、その店のホステスになるには、100kg以上という規定があったはずなのですが…。
(補注)それに番組では昨年オープンしたと紹介されていましたが、多分ママが25歳と自己申告している手前、辻褄を合わせるために「Jr」と逃げをうつことで、そう紹介したのだと思います。

ことほどさように、あの番組に出演していた女性たちのほとんどは、AVや風俗系の人たちでした。従って「太っているのはイイことだ」という彼女たちの主張を額面通りに受け取り、一般の人々にその意見を当てはめることはできません。
(注4)

実は、あの番組で日常生活が紹介されていた、桜井るみさんも、ももこさんが勤めている風俗店のママなのです。別稿で、あの番組での‘ヤラセ’の事実を暴露すると共に、肥満者が、いわゆる‘デブ’として、いかにしてカリカチュア(戯画)化されるかを論じてみたいと思っております。

(注1)
2001.2.7放送。
(注2)
「デ○専風俗店の系譜その1」2000.9.25
(注3)
「豊満浪漫シリーズ 格闘編 もも子」(マニア・ワールド)他

因みに、このビデオプロダクション「アガスティア」の企画方針──風俗店とタイアップしてそこの風俗嬢を女優として使うことで、質の良い女優を確保すると共にその店を宣伝するという一石二鳥の効果を発揮するアイディア──は僕がアドバイスしたものです。
(注4)
軽率に関連付けるつもりはありませんが、彼女たちの社会的ポジションを考える際に、下記の論稿には興味深い点が多々あります。

『魅せられてフリークス──時を撃つ「肉体の貴族」』(佐藤重臣編、秀英書房)
(補注)
ホールスタインJrは、Jrになってから、女性の募集は「90kg以上」という規定になっているようですね。

(2001.2.23初稿一部訂正)
そこヘン日本人論その3
そこヘン日本人論その4

TBSテレビ「2001年・ふくよかな人50人の主張」『ここがヘンだよ日本人スペシャル』
(注1)で、その日常生活が紹介されていた桜井るみさんは、千葉の松戸を中心に活動している、いわゆる‘デブ専’SMデリヘリ風俗店(注2)のママで、胡月ももこさんはその店のナンバー2です。るみさんの場合もビデオに出演しています(注3)

番組で紹介された彼女のデータは次の通り。

年齢 :28歳
身長 :168cm
体重 :170kg
バスト :146cm
ウエスト:120cm
ヒップ :148cm

さてあの番組で紹介されていた彼女の日常生活には、脚色と言う以上の‘ヤラセ’があったという情報を確かな筋から当方は得ています。

彼女にパキスタン人の旦那さんがいるのは事実ですが、撮影された家は彼等の実際の家ではありません。こんなことは別にどうでも良いことですが、重要なのは紹介されていた彼女の食生活です。

まず朝食にコンビニの牛丼を食べた後、練乳をチューブから直接チューチューと一気飲みしたばかりか、ペットボトルのコーラをラッパ飲みする場面が映し出され、その上さらにケーキを彼女はがっつくように食べていました。でも実際には彼女は牛丼などのご飯物は大好物なのですが、ケーキなどの甘いものは大嫌いなのです。

要は、食事毎にやっていた「練乳チューチュー」は局側が彼女に要請した、まったくの‘ヤラセ’だったのです!局の意図は、まさに肥満のカリカチュア(戯画)化であったのでしょう!

ところで、最近太り気味だと云われているスマップの香取慎吾君の好物はマヨネーズで、それだから彼はマヨネーズのCMにも起用され、‘オッハー’の慎吾ママの歌の中にも「マヨネ、チューチュー」という歌詞も出て来ます。榊原郁恵さんが、旦那さんである渡辺徹さんの大食ぶりを面白おかしく話す時にもその「マヨネ、チューチュー」のエピソードが出て来ました。

先日「体重130kgの私はダメですか」というタイトルで放送された『お前の諭吉が泣いている』というドラマ
(注4)でも、ウェイトオーバーでガードマンを解雇された太った男性(石塚英彦さんが演じていました)が、解雇されてストレスが溜まりヤケ喰いした時も「マヨネ、チョーチュー」をやっていました。

その彼を、すべて金銭や数値に還元してその正当性を主張する、主人公の経理士(東山紀之さんが主演)が次のように批判していました。

「ウエスト136cm。推定体重130.8kg。体脂肪率45%。月収25万円。その内、食費は18万円。エンゲル係数
(注5)70。警備会社をクビになり、就職活動もままならない、食べてばかりの33歳の無職。この数字があなたに社会が下した評価です。」

そして「僕だって、なりたくてこうなったんじゃ…」と反論する肥満男性に対して、畳みかけるようにこう批判します。

「でもそれは間違えているのかも知れません。社会は四六時中、あなたを見ているわけではありません。見ていないことのほうが多いでしょう。そんなあなたをずっと見ている人が一人だけいます。それは自分自身です。あなたは、今のあなたが好きですか?うまく行かないのをすべて太っているせいにして、スネて食べてばかりいる、あなたが好きですか?…酔っぱらってコンビニで1万8百34円もの無駄な食べ物を買っている自分を好きになれますか?太っているのはあなたの体ではありません、…心です!あなたの諭吉が泣いています。」

一見、非常に説得力のある、肥満者に対する批判であるように思われます。しかし、当たっている点もあるにしろ、このような見解は世間一般が抱いている肥満者に対するステレオタイプ(固定観念)的な社会通念を色濃く反映した主張であると思います。すなわち、「ここヘン日本人」で有名になり、実際にあの番組において、喫煙者と同一視し肥満者を批判した、あの謎の東洋系アメリカ人の罵詈雑言と本質的には変わらない偏見に満ちた見解なのです。この点については、別稿で改めて論じたいと思います。

(注1)
2001.2.7放送。
(注2)
「デ○専風俗店の系譜その1」2000.9.25
(注3)
「豊満浪漫シリーズ 格闘編 るみ」(マニア・ワールド)他
(注4)
テレビ朝日、2001.2.22放送。
(注5)
家計費に占める飲食費の占める割合。この割合が高ければ高い程、貧困の度合も高いとされる。

(2001.2.26初出)


そこヘン日本人論その5

TBSテレビ「2001年・ふくよかな人50人の主張」『ここがヘンだよ日本人スペシャル』
(注1)に出演し、‘肥満者’を口喧しく批判していた謎の東洋系アメリカ人、自称‘フリージャーナリスト’のケビン・クローンという男性の素性について確かなことは分かりませんが(注2)、『ここヘン』で、彼が主張していた‘肥満者’に対する批判の要点は2つでした。すなわち──

(1)喫煙者と同様に、肥満者は自己コントロールの出来ない劣等な人間たちであり、この見解がグローバルスタンダード(世界標準)の思潮である。

(2)肥満者は、この世界においてマイノリティー(少数派)であり、いずれ滅亡する運命にある。

(1)も(2)も単に偏見に基づく主張に過ぎないことは、わが肥満論で論難しますが、そもそもこのような見解を抱いてしまったのは、まず彼が東洋系アメリカ人として、合衆国においてはマイノリティーであることと、さらに彼が成人する(社会化する)過程において影響を受けた、いわゆるヤッピーのイデオロギーに起因しているということが考えられます。

その傲慢さ故に全世界をアメリカナイズしようとする、パン・アメリカン(汎アメリカ主義)的グローバリズムのイデオロギー(政治的思想・信条)に、過剰適応し
(注3)、そのイデオローグと化しているが故に、彼は臆面もなく厚顔無恥にも、あのようなステレオタイプで‘ヤンキー野郎’の典型のような軽口が叩けたのだと思います。

そして要するに、あのような主張は、あくまでも単にアメリカの、それも限られた時代の限られた社会階層──すなわち‘ヤッピー’のイデオロギーの焼き直しに過ぎません。

・「シルエットの時代の当来」
・「たるんだままの肉体は精神のあり方まで疑われる」

これは、80年代直前に、「BOODY BOOK」と題してシェープアップの特集を組んだ、日本のファッション雑誌『an・an』79年8月1日号の表紙を飾るコピーです。当時のアメリカのファッションシーンに敏感な雑誌らしい過激なコピーです。

既に別稿でも言及しましたが
(注4)、ファッションジャーナリストの藤岡篤子氏は、ファッションシーンに影響を与えた80年代のヤッピーのライフスタイルについて、次のように述べています。

「八〇年代は、豊かな経済力を背景に自然志向が高まった時代だった。贅沢な食事を楽しみながら、一方ではダイエットに精を出した。オリビア・ニュートン・ジョンの『フィジカル』という曲がはやり、映画『フラッシュダンス』の音楽にのって、エアロビクスやジャズダンスに汗を流すのが、流行の先端だった時代、といえば思い出していただけるだろうか。」「体が美しく健康であってこそ、エリート、という鼻もちならない動機ではあったけれど、あの時代の美点は『美しい体とは、やせていることではなく健康であること』としたことだった。」「この健康ブームの立役者は、ヤッピーだった。ウイスキーよりもミネラルウオーターを好み、スパゲティをパスタと呼び変える、外見重視のきどりは、今でこそは揶揄(やゆ)の対象になってしまったが(日本語で言えばヤンエグ
(注5)のニュアンスに似ている)、彼らの上昇志向と権威志向は『サクセスルック』として二十世紀のファッション史に名を残している。別名パワースーツだ。」(注6)

藤岡氏は、「美しい体とは、やせていることではなく健康であること」という、ヤッピーの美点を指摘していますが、実際のところ、あの東洋系アメリカ人が言っていたように「喫煙することが社長として失格であるのと同様に、デブも失格だ」というのが彼らの本音です。彼らは、「肥満」についての知識が足りないために、‘肥満’は、意志薄弱で怠慢な行動の結果だと短絡的に考えてしまい、それ故に自分が‘社会的落伍者’と見なされることを嫌い、あくまでも外見を気にして、ダイエットに精を出すわけです。
(注7)

しかし、コメンテーターとして出席していた山田五郎氏が軽く一蹴したように、「太った人が鈍いとか緩慢だとか意志が弱いとかは、見た目からくる、全くの幻想」
(注8)であり、「グローバルスタンダードではなく、アメリカのスタンダードに過ぎない」(注9)のです。

(注1)
2001.2.7放送。
(注2)
この番組の他に彼はCSで放送されている朝日ニュースターのベンチャー企業紹介のレポーターとしてもレギュラー出演したりしているユニークな人物です。
(注3)
第二次世界大戦時、二世の日系アメリカ人は、ヨーロッパ戦線において、‘アメリカ人’たる彼らの存在価値を証明しようとして、最前線において最も勇敢に戦ったと云われます。このような例からも判るように、ある社会の少数派が、その社会において認められるために、その社会の価値観に過剰適応した心情を有し行動様式を呈することは、社会学的によく論及されていることです。
(注4)
「‘おデブ系の時代’」
(注5)
「ヤングエグゼクティブ」(青年重役・実業家)の略。
(注6)
「新世紀はおデブ系時代」『AERA』'00.12.4号.53頁。

「体が美しく健康であってこそ、エリート、という鼻もちならない動機」からなのでしょうか、日本でも、シェープアップ特集をしている、あのファッション誌は「シルエット時代の当来」であり、という過激なものだったそうです。

(注7)
カーター大統領あたりからでしょうか、ボディーガードを携えてまでも、毎朝ジョギングをして肉体を鍛えているという姿を披露して、自分が単なる知的であるだけではない、‘パワーエリート’であることを公衆に示し出したのは…。

肥満では、国民の信頼が得られない。
(注8)
ただし以前に、肥満した人に、おっとりした性格の人が多いという理由を、生物学的に説明しようとしたことがあります。「太る体質と性格」2000.11.12号
(注9)
ただし、かつて全共闘運動が全盛となる前年の東大学長が入学式で言った「太った豚になるぐらいなら、痩せたソクラテスになった方がよい」という言葉からも判るように、日本では、運動音痴で肉体的に劣っていても、ガリ勉して‘よい大学’に入れば、その学歴によって‘エリート’になれたのに対して、欧州における貴族社会における騎士道やかつての日本の武家社会における武士道が、いわゆる「文武両道」を理想としていたということも確かです。しかし肉体的な特徴である肥満が、ヤッピーのように、人物のマイナス評価においてこれ程問題にされるということは未だかつてありませんでした。

(つづく)


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